世界は「使われなかった人生」であふれている

世界は「使われなかった人生」であふれている

大伯皇女と大津皇子(万葉集より)

●大伯皇女

「我が背子を 大和へ遣ると 小夜更けて あかとき露に 我が立ちぬれ

し」


「二人行けど 行きすぎがたき 秋山を いかにか君が ひとり超えなむ」


●大津皇子

「百伝ふ 磐余(いはれ)の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りな

む」


●大伯皇女

「神風の 伊勢の国にも あらましを 何しか来けむ 君も有らなくに」


「現身(うつそみ)の 人なる吾や 明日よりは 二上山を 弟背(いろ

せ)と吾が見む」


「磯の上に 生ふる馬酔木を 手折(たを)らめど 見すべき君が ありと

いはなくに」



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